■箕面市議会意見書
「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書
かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、六十四年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。
平成十九年(二〇〇七年)七月にはアメリカ下院議会が、「日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
日本政府としては、平成五年(一九九三年)八月に、当時の河野洋平官房長官が、「お詫びと反省の気持ちを申し上げる。そのような気持ちを我が国としてどのように表すかについては、今後とも真剣に検討すべきもの」という談話を発表しているが、何ら進展していない。
よって、政府においては、河野談話に矛盾しないよう「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、誠実な対応をされるよう要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十一年六月二十二日
箕 面 市 議 会
議員提出議案第十三号
■三鷹市議会意見書
日本軍「慰安婦」間題に関する意見書
かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから既に64年がたつが、人々の戦争被害の傷はいやされていない、日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的なものといえる。
アジア各地で被害にあった元日本軍「慰安婦」の方々の多くは既に80歳を超え、被害者の訃報が相次いでいる昨今である。日本政府は1993年に河野内閣官房長官談話を発表し、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」とおわびと反省の気持ちをあらわした。
この談話に対し、被害者の女性たちからはさらに日本政府が「公的に責任を認め、公的に謝罪しなければ、白分たちの真の名誉と尊厳の回復にはつながらない」との声が相次いだ。
また、国際社会からも2007年には、アメリカ、オランダ、カナダ、EUなどの議会において、また、2008年にはフィリピン、韓国、台湾などでそれぞれ日本政府に対し、「慰安婦」問題の責任を認め、公的に謝罪することなどを求める決議が採択された。
また、国際的な人権擁護機関からも現在に通じる重大な人権侵害として、誠実に対応することが要請されている。
被害者の女性たちの真の願いは、戦争を遂行するために女性の性が侵害されることが二度と起こらないように、また、未来の多くの女性たちのためにも過去に行ったことには公的なけじめをつけてほしいというものである。
1993年の河野談話は、第一次、第二次調査を経て、「われわれは、このような歴史の真実を回避することなく、むしろ教訓として直視し、歴史研究、歴史教育を通じ永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を表明し、今後とも民間の研究を含め十分に関心を払っていきたい」旨の発表がなされている。
今、この精神を維持・発展させ、内容を具体化することこそがアジアの人々の戦争被害の傷をいやし、和解して、平和的に共存していく道筋をつくることにつながることと確信する。
被害者の存命中に名誉につながる納得できる解決が急がれる。
よって、本市議会は、政府に対し、下記の事項について、国の誠実な対応を強く求めるものである。
記
1 被害者の声に耳を傾け、真相究明を行うこと。
2 「慰安婦」問題の責任を認めて、政府は公的に謝罪すること。
3 過ちを繰り返さないために、学校などで歴史教育を通じて次世代に事実を伝え
ること。
上記、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成21年6月23日
三鷹市議会議長 田 中 順 子
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