水曜デモとは

日中戦争(十五年戦争)・アジア太平洋戦争中、日本軍は兵士たちの性的欲求を満たすため「慰安所」をつくり、植民地や占領地にいる数多くの女性たちを強制的に性奴隷としました。「慰安婦」とされた女性たちは、繰り返し性暴力と虐待を受けました。日本の敗戦により解放されたはずの被害女性たちは、日本軍兵士に無理やり性行為を強要され、辱められたことを誰にも言えずに長い間生きるしかありませんでした。しかし日本軍の関与はなかったという日本政府の対応に、90年代になって一人、二人と名乗りを上げ事実を話し始めました。それにより日本社会においてもやっと日本軍「慰安婦」の存在が知られるようになりました。 被害女性たちは日本政府に、真相究明、公式謝罪、国家賠償、責任者処罰などを求めて声を上げ始め、韓国では日本大使館前で1992年1月8日から毎週水曜日にデモが続けられてきています。 私たちは、すべての日本軍「慰安婦」問題の被害女性と連帯すべく第三水曜日に水曜デモを行います。

2009年6月24日水曜日

速報!関西:箕面市、関東:三鷹市 議会で意見書可決

6月22日、大阪府箕面市議会と6月23日東京都三鷹市議会で、日本軍「慰安婦」問題に対する政府への意見書が可決されました。各市民の皆さんの絶え間ない努力とこの問題への解決への熱意、被害女性達への連帯の気持ちが実現させたと思います。
この潮流に続けるよう、神戸も頑張りたいです。
6月27日の「ナヌムの家Ⅱ」上映会では、さっそく2市の意見書を資料として参考にさせていただきます。

以下に箕面市、三鷹市の意見書を載せます。すばらしい内容ですね。

■箕面市議会意見書

「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書

かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、六十四年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。

平成十九年(二〇〇七年)七月にはアメリカ下院議会が、「日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。

日本政府としては、平成五年(一九九三年)八月に、当時の河野洋平官房長官が、「お詫びと反省の気持ちを申し上げる。そのような気持ちを我が国としてどのように表すかについては、今後とも真剣に検討すべきもの」という談話を発表しているが、何ら進展していない。

よって、政府においては、河野談話に矛盾しないよう「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、誠実な対応をされるよう要望する。

 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

  平成二十一年六月二十二日

  箕  面  市  議  会

議員提出議案第十三号

■三鷹市議会意見書

日本軍「慰安婦」間題に関する意見書

 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから既に64年がたつが、人々の戦争被害の傷はいやされていない、日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的なものといえる。

 アジア各地で被害にあった元日本軍「慰安婦」の方々の多くは既に80歳を超え、被害者の訃報が相次いでいる昨今である。日本政府は1993年に河野内閣官房長官談話を発表し、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」とおわびと反省の気持ちをあらわした。

 この談話に対し、被害者の女性たちからはさらに日本政府が「公的に責任を認め、公的に謝罪しなければ、白分たちの真の名誉と尊厳の回復にはつながらない」との声が相次いだ。

 また、国際社会からも2007年には、アメリカ、オランダ、カナダ、EUなどの議会において、また、2008年にはフィリピン、韓国、台湾などでそれぞれ日本政府に対し、「慰安婦」問題の責任を認め、公的に謝罪することなどを求める決議が採択された。

 また、国際的な人権擁護機関からも現在に通じる重大な人権侵害として、誠実に対応することが要請されている。

 被害者の女性たちの真の願いは、戦争を遂行するために女性の性が侵害されることが二度と起こらないように、また、未来の多くの女性たちのためにも過去に行ったことには公的なけじめをつけてほしいというものである。

 1993年の河野談話は、第一次、第二次調査を経て、「われわれは、このような歴史の真実を回避することなく、むしろ教訓として直視し、歴史研究、歴史教育を通じ永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を表明し、今後とも民間の研究を含め十分に関心を払っていきたい」旨の発表がなされている。

 今、この精神を維持・発展させ、内容を具体化することこそがアジアの人々の戦争被害の傷をいやし、和解して、平和的に共存していく道筋をつくることにつながることと確信する。

 被害者の存命中に名誉につながる納得できる解決が急がれる。

 よって、本市議会は、政府に対し、下記の事項について、国の誠実な対応を強く求めるものである。

1 被害者の声に耳を傾け、真相究明を行うこと。

2 「慰安婦」問題の責任を認めて、政府は公的に謝罪すること。

3 過ちを繰り返さないために、学校などで歴史教育を通じて次世代に事実を伝え

  ること。

上記、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成21623

              三鷹市議会議長 田 中 順 子


2009年6月4日木曜日

5月20日第5回水曜デモin長田


日が長くなってきました。6時半からですと、まだ日は高く、通り過ぎる方々もパネルの写真もしっかりみることができます。さわやかな風が穏やかに吹いて、気持ちのよいデモとなりました。お一人の男性が立ち止まって展示の写真に見入っておられました。写真やパネル展示も充実してきて心なしか立ち止まってみて下さる方も増えたような、、、。

また、「水曜デモを知っていますか?」の歌だけではなく、劇団水曜日による劇「海を越えてつながる私たち」の挿入歌からも何曲か歌ってもらい、変化のあるデモとなってきました。最後は、水曜デモヴァージョン河内音頭も全部、歌い踊りました。

 15名の方が参加して下さいました。チラシも200枚ほど、受け取っていただきました。

宝塚市議会意見書可決1周年―尼崎証言集会

4月25日、尼崎中央公民館で、雨の中、107人の参加者のもと、「宝塚市議会意見書可決1周年―尼崎証言集会」が開催されました。

集会プログラムの内容は、

1.「宝塚市議会意見書可決1周年を迎えて」大阪・神戸・阪神連絡会代表の挨拶

2.劇団水曜日による劇「海を越えてつながる私たち」

3.尼崎朝鮮中級学校舞踊部による舞踊「扇の舞」「小太鼓の舞」

4・DVD「“忘れてはならない、絶対に”―彼女たちの物語」の上映

5.キル・ウォノクハルモニからのビデオメッセージ

6.韓国挺身隊問題対策協議会幹事 梁路子(ヤン・ノジャ)さんによる「キル・ウォノクハルモニの近況と最近の韓国での運動状況」

7.尼崎でのこれからの取り組みについて

でした。

劇団水曜日は、ご存知の方も多いことでしょう。また、韓国ソウルでこの7月に、水曜デモを主幹しに行きます。

尼崎朝鮮中級学校の舞踊は、韓国から来られるハルモニに見ていただこうということで来ていただいたので、残念でしたが、すばらしいものでした。劇の内容ともつながるので、なかなか意味深い印象を受けました。

 DVDは、韓国挺身隊問題対策協議会制作の最新作です。韓国ソウルの西大門にただいま建設中の「戦争と女性の人権博物館」完成がいかに被害女性達の強い願いであるか、またこの博物館が全世界の女性の人権と、平和にとっていかに意義深いものか、がよく分かると思いました。

 


韓国からお招きしていた日本軍「慰安婦」被害女性のキル・ウォノクさんは、腹部の痛みで2度検査入院され、原因がわからず、今回は来ていただくことができませんでした。ですので、挺対協に頼んで、キル・ウォノクハルモニのビデオメッセージを送っていただきました。ハルモニが、私たち集会に集まった者のために、「ごめんなさい、ミヤネー、どうしましょう。」と、語りかけて下さいました。なんてやさしい、かわいい方でしょうか!これからも、ハルモニと共に、この問題の一日でも早い解決のため運動していこうと思わずにはいられません。思ったよりお元気な様子でしたが、くれぐれもお体にお気をつけ下さい。

 最後は、キル・ウォノクさんの代理で来て下さった韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の幹事のヤン・ノジャさんのお話です。(以下は講演内容からの抜粋です)

 

今までは、キルウォノクハルモニら被害女性たちが証言をすることによって人々が心を動かされて運動がはじまりましたが、これからは被害者の方々が自分の口から直接訴えること自体がむつかしくなってきたので、私たちの口からまだ知らない方々に伝えていかなくてはならなくなったと思います。

 キルウォノクハルモニは、98年に「慰安婦」としての申告をされました。テレビを見ていると「慰安婦」被害者の方がニュースに出ていたそうです。思わず「自分も当事者なのに」とひとりごとが出て、それを息子のお嫁さんが耳にしたのがきっかけで、打ち明けました。息子達は「おかあさん今までどれほど苦しかったことでしょう」と手を握ってくれ、3人でしばらくのあいだ泣き続けていたそうです。その後、申告されて、日本大使館前での水曜デモにも毎週参加されて、運動の先頭にたっておられます。(13歳でだまされて慰安所に連れて行かれたハルモニは、性病にかかったときに卵管を無理矢理取られる手術をされました。息子さんは32歳のときに養子にもらった方です。)

 申告されるまでのあいだというのは、自分がそのような経験をしたことを誰か知るのでないかと恐れていつもびくびくしながら日陰で暮らしてきたそうです。申告されて話すことでみなさんある程度自分が昔こうむった傷をいやす事ができるんですが、キルウォノクハルモニも、申告した後すぐにはご自分の体験を人前で話す勇気はでなかったそうです。しかし、被害女性が一人又一人と亡くなられる中、生きている自分が証言しなければと、数年前から証言されるようになったそうです。

 日本社会の中で各地域に住む方々が力を合わせて市議会で意見書を可決して、次は県議会、次は国会とこの問題の解決を目指している運動は本当に重要だと私達も思っています。韓国のハルモニたちも注視されていて、先日福岡市議会で意見書が可決されたときも、その日に知らせを聞いて大変喜んでられました。こういうニュースがハルモニたちに元気を与えてくれます。

 もう一つ皆さんにお願いしたいのは「戦争と女性の人権博物館」への支援です。ハルモニ達の記憶を博物館の中にこめるんですが、全世界の中で、今も女性に対する暴力蹂躙がまだまだ起こっています。それに立ち向かう場所としても博物館は存在していくことになります。』

大阪、尼崎、吹田と、連日の講演お疲れ様でした。とても分かりやすく、熱い思いにあふれたお話でした。“解決に向かって、できることは何でもやっていく。韓国国内でも、韓国政府に対して運動をしていくので、日本国内での運動にも力を合わせてやっていきましょう。”と日本での運動の重要性を強調しておられました。

 

2009年5月8日金曜日

朴保さんのライブ行ってきました

5月4日阪急西宮駅近くのライブハウスで朴保(パク・ポー)さんのライブに行ってきました。以前、在日の日本軍「慰安婦」被害女性の宋神道さんの映画のエンディングテーマが彼の『傷痍軍人の歌』という歌だと知り、どんな方かなあーと、とても気になっていました。
ライブハウスというにはこじんまりしたスペースでしたが、馴染みの方ばかりでアットホームな感じがしました。西宮の方がいらっしゃったので、早速水曜デモの宣伝もさせていただきました。済州島から京都に来ておられた4・3事件の研究者のご夫婦と拙いハングルでおしゃべりしたりしたり。ライブと交流会という感じでとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
朴保さんは、とても気さくでサービス精神旺盛な方でした。熱さとやさしさが同居していて、シャイな、とても「味のある」ミュージシャンとお見受けしました。アメリカン・ロックのようでもあり、フォークロックのようでもあり、ハードロックのようでもあり。彼の歌はメッセージソングですが、それが詩となっているように思います。
特に素敵なのは彼のモクソリ(声)です。少しハスキーヴォイスですが、とてもよく通る、荒野に吹く風のようにかろやかで、鋭いですが、優しい肌触りの、そんな声です。(みなさまわかりますか?表現力がないので申し訳ないですが)

詳しくは、朴保オフィシャルサイト

http://www.pakpoe.com/index.htm

を参照して下さい。今後のライブ予定もアップされています。彼を応援するプロジェクトも開始されました。彼の温かい人柄に触れてください!

宋神道ハルモニの映画『オレの心は負けてない』のエンディングテーマの『傷痍軍人の歌』です。
じっくり聴いてください。心が揺す振られます。
映画もおすすめなので、また上映会などやりたいと思います。

2009年4月23日木曜日

キル・ウォノクハルモニの来日中止

被害女性の方々は、高齢になられています。これからますます、直接に証言をきく機会が少なくなっていくと思われます。
この現実を重く受け止め、一日でも早く、解決しなくてはという思いに駆られます。

被害女性の証言はありませんが、キル・ウォノクさんからのビデオレターや以前の証言のビデオなどを上映します。そして挺対協の新しいDVDも上映します。必見です。また挺対協から、ヤン・ノジャさんが特別に講演に来てくれます。
被害女性の直接の証言を聞くことはとても大切なことですが、ビデオや出版物、映画などでもこの問題のことについて知ることができます。これからの運動の方法など考えることになりそうです。
キル・ウォノクさんは、体調も戻られて、今週の水曜デモには元気に出ておられるそうです。ハルモニの気力、頑張りには本当に頭が下がります。

梁路子(ヤンノヂャ)さんプロフィール
韓国挺身隊問題対策協議会 幹事
1年3ヶ月 韓国外国語大学語学研修院に通い始めながら挺対協でボランティアをはじめ、その後 聖公会大学 社会科学部に編入し卒業までボランティアを続ける。大学卒業後、今年2月から正式スタッフに。在日3世、京都府出身。2008年の『関西フォーラム』では事務局を担当。

各地の集会主催者からの、メッセージをのせます。
■ 大阪
  吉元玉(キルウォノク)ハルモニが体調を崩し来日できなくなりました。ハ
ルモニの証言を期待された皆様に心からお詫びします。高齢の被害者の方々への謝罪と
補償は時間との闘いであることを改めて痛感しています。
  韓国挺対協の梁路子(ヤンノヂャ)さんに講演していただくこととなりました。キム
ウォノクハルモニはビデオレターで参加していくださいます。ぜひ今後私たちは何をで
きるか問い直す集会としたいと思います。ご参加ください。
■ 尼崎
  宝塚市議会意見書可決1周年を記念する集会に、韓国から被害女性をお呼びして証言集会を開催しようということになり、韓国挺身隊問題対策協議会から、2月20日に、吉元玉(キル・ウォノク)さんが来て下さると言うお返事をもらいました。
その後、みなさんに広くお知らせして準備を進めてきましたが、キル・ウォノクさんが体調をこわされ、2度検査入院をされたがおなかの痛みの原因がわからないとの知らせが来ました。
  キルウォノクさんは、「私が行かなければ」と、おっしゃっておられるとのことでしたが、私たちは、大事をとっていただいて、ビデオメッセージを送って下さるようにお願いしました。
  キルウォノクさんが来られるのを待っておられた皆さんには本当に申しわけありませんが、どうかお許し願います。そして、高齢の被害女性の方々が、お一人でも生きておられるあいだに、心から晴れやかに笑っていただけるように、一緒に運動してくださることをお願いします。
■ 吹田
  証言集会に来てくださる予定のキル・ウォノクさんが体調がすぐれないため来日できなくなりました。これまで痛い身体を引きずりながらも何度も日本に来て証言をしてくださいましたが、今は療養していただくことが大事だと判断しました。一日も早く回復されるようお祈りしながら、今回の集会は予定通り行います。
  直接被害者の声を聞きたいと期待していらっしゃる皆さま、大変申し訳ありませんが、ご理解をお願いいたします。また、被害女性たちが高齢になられており一日も早い解決が急がれることを肝に銘じて解決に取り組んでいきましょう。
  今回の集会ではキル・ウォノクさんの証言DVDを上映いたします。また、韓国挺身隊問題対策協議会から来ていただき、韓国の被害者の近況や運動の状況についての報告もあります。是非集会に来ていただき、「慰安婦」問題の真実を知ってください

2009年4月7日火曜日

海南島の戦時性暴力被害賠償請求高裁判決

遅くなりましたが、海南島の裁判の報告をします。

3月26日午後3時判決が言い渡されました。
請求は、棄却されました。
日中共同声明によって、請求権が放棄されている、という理由から。

不当判決!であるという弁護団の声明を以下に記載します。
残念な結果となりましたが、国内外の決議や意見書可決のことが明記されています。

弁 護 団 声 明

1 本日,東京高等裁判所第21民事部(渡邊等裁判長)は,日本軍によって「慰
安婦」とされた中国海南島の被害者が日本政府に対して謝罪と名誉回復並びに損
害賠償を求めた控訴請求事件(海南島戦時性暴力被害賠償請求事件)に関して,
控訴人らの控訴を棄却する判決を下した。

2 本件は,中国海南島において,旧日本軍(主として海軍)が中国人の少女を
強制的に拉致・監禁し,継続的かつ組織的に戦時性奴隷とした事案である。
本判決は,「本件被害女性らは,本件加害行為を受けた当時,14歳から19歳までの
女性であったのであり,このような本件被害女性らに対し軍の力により威圧しあ
るいは脅迫して自己の性欲を満足させるために陵辱の限りを尽くした軍人らの本
件加害行為は,極めて卑劣な行為であって,厳しい非難を受けるべきである。この
ような本件加害行為により本件被害女性らが受けた被害は誠に深刻であって,こ
れが既に癒されたとか,償われたとかいうことができないことは本件の経緯から
明らかである。」(判決書28頁)と認定している。
本件被害の質的側面においてもPTSDはもとより「破局的体験後の持続的人
格変化」も認定している(判決書30頁)。
以上の事実認定を踏まえ,国家無答責の法理を排斥したうえ民法715条1項を適用
し控訴人らの損害賠償請求権を認めた。

3 しかしながら,本判決は,2007.4.27最高裁判決を踏襲し,控訴人らの損害賠
償請求権について,日中共同声明第5項により「裁判上訴求する権能」が放棄さ
れたことを理由に控訴を棄却した。
  もっとも本判決は,最高裁判決と同様,個人の賠償請求権につき,その権利
は実体的には消滅しないと判示した。
  これは個人の賠償請求権につき,裁判上訴求する機能のみが失われたとする
ものであり,個別具体的な請求権について,債務者側において任意の自発的な対
応をすることは何ら妨げられないとを認めたものである。

4 この点,日本政府も,二国間条約で損害賠償問題は解決済みであるとの主張
しながらも,「慰安婦」の問題について解決されていない問題があると認め,
1993年,河野洋平官房長官の談話(以下「河野談話」という)において,被害者
に対して事実を認め謝罪をし,適切な措置をとることを表明した。
そして,日本政府は,「慰安婦」問題につき「女性のためのアジア平和国民基金
(アジア女性基金)」を設置したが,同基金によってすら中国人被害者に関して
は何らの措置もとられていない。
  したがって,本判決で損害賠償請求権が裁判上訴求できないからといって問
題が解決されたわけではなく,未だ河野談話の見地にたって解決されなければな
らないことにかわりはない。
  しかも,それは過去の戦後処理の問題ではなく,被害者らが今なお苦しみの
中で生きており,まさに現代において速やかに解決すべき課題である。

5 アメリカ連邦下院における対日謝罪要求決議の外,カナダ,オランダ,EU議
会,国連人権理事会,国連自由権規約委員会,ILO条約勧告適用専門家委員会等
々で解決を求める決議がなされている。このように国際社会は,被害を受けた女
性の尊厳と人権の回復のための真の措置をとるよう日本政府に強く迫っている。
  国内においても宝塚市,清瀬市,札幌市に続いて福岡市議会において3月25日
解決を求める決議が賛成多数で可決された。
  このように解決を迫る世論は国内外を問わず高まっている。

6 今,日本政府に問われているのは言葉ではなく行動である。真に河野談話を
承継し,また女性達の人権を侵害した問題であると理解しているのであれば,各
国議会決議や国際機関の勧告を受け,真摯な対応をすべきである。
  日本政府は,本判決で厳しく認定された加害の事実と深刻な被害の事実を真
摯に受け止め,被害者一人一人が納得するように謝罪をし,その謝罪の証として
適切な措置をとるべきである。
私たちは直ちに上告するとともに,日本政府に対してこれら被害者の要求が実現
されるまで戦い続ける決意を表明するものである。

 2009(平成21)年3月26日

海南島戦時性暴力被害賠償請求事件弁護団
中国人戦争被害賠償請求事件弁護団

2009年4月1日水曜日

3月18日第3回水曜デモin長田

3月は、第2水曜日阪急西宮北口でしたのと同じく、市民への街頭アンケートを行ないました。アンケートの質問内容は、「日朝問題」「慰安婦問題」「憲法問題」について、でした。具体的には、“2002年のピョンヤン宣言にしたがって日朝国交正常化を早く実現するべきである。”“「慰安婦」問題について、2007年以来、世界各国からまた国内市議会からから日本政府を批判する決議や意見書が可決されています。早急に公式謝罪をし、解決のための法律をつくるべきである。”“田母神前航空幕僚長が言ったように、日本は憲法を変えて戦争できるようにするべきである。”の3つの質問に、赤、青、緑、(そう思う、そう思わない、わからない)のシールを貼ってもらうという方法で、やってみました。

西宮は、
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3.11は急ぎ足で道行く人を呼び止めて街角アンケートを行いました。人数は10人程でしたが、世情の一端を覗かせていました。
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でした。
印象的だったのは、“ピョンヤン宣言ってなに?わからない。”という意見があり、分からないと答えた方が多かったということです。このアンケートをきっかけに、市民同士が日朝関係のことを少しでも話し合うことができました。

長田は、といいますと約8名の方が参加してくださいました。
印象的だったのはやはり、日朝関係について。一般市民は、偏った報道の結果、あまりにも共和国に対して知らないんだなあと、改めて感じました。“北朝鮮が国交を持っている国ってあるの?北朝鮮は、日本と国交を持ちたいの?”などのはっきりした疑問を投げかけて下さる方もいて、よいアンケートになったかと思います。
また、次回もやります。(迎撃などということがないように)